ペルチェ素子の用途について- PURPOSE

【ミルククーラー事例】最近では各種飲食店でドリンクバイキングコーナーが増え、ソフトドリンクサーバーやコーヒーマシンが設置されています。このコーヒーマシンには、ペルチェモジュールを搭載したミルククーラーが付属されています。1リットルのミルクパック2～4本を収容・保冷でき、小型・清潔・安全を保ち重宝されています。

【制御盤クーラー】工場内の制御盤やネットワーク用通信キャビネットなどの冷却にペルチェモジュールが使われています。盤内の、特に熱に弱い機器を集中的にスポット冷却したり、キャビネット全体を冷却したりと、用途は多岐にわたります。またこの様な機器は例外なく水に弱いものですが、温度をコントロールして結露発生の少ない冷風を供給したり、結露ドレーンを内蔵するなどして対策しています。

【LDの温度制御】光エレクトロニクスデバイスの主役ともいえるLD。その中でも発光波長の長い1.3～1.55μmのLDは、高性能なものほど冷却もしくは恒温化が必要とされています。この様な、限られたスペースでのデバイスの冷却に、ペルチェモジュールが多く使われています。

【電子冷蔵庫】振動や騒音が全く無く、また冷却機構が小型であるという利点を生かして、10数年程前から病院やホテル客室向けの業務用冷蔵庫としてペルチェモジュールが使われてきました。最近では生産コストの低減と信頼性の更なる向上によって民生用としても使われ定着しはじめてきています。

【分光光度計】タンパク質や酵素反応などは温度の影響を受けやすく、吸光度が著しく変化してしまいます。ペルチェモジュールがを使うと試料の精密な温度制御が出来るようになり、また温度即応性も良いため、正確かつ迅速な測定・検査を行うことが可能になります。

【シリコンウェハの温度制御】半導体チップ製造の前工程におけるシリコンウェハを処理する一連の工程では、±0.1℃単位の精密な温度制御が要求されます。冷温切り替えや電圧・電流制御によって簡単かつ精密に温調することが出来るペルチェモジュールによる温調は、システムが小型化できるという利点もあいまって広く利用されています。

【小型恒温槽】微生物の培養実験などでは室温付近から体温付近での温度コントロールが要求されます。冷凍機やヒーターなどでは不得意とされる室温付近での精密な温調は、ペルチェモジュールが最も適しています。またこの様な実験では冷却・加熱サイクルの環境を与えてやらなければならない状況も多く、極性を切り替えることによって冷温を反転できるペルチェモジュールが好まれます。