熱電発電について- THERMOELECTRIC
熱電発電について
熱電発電とは、熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換するものです。高温部分と低温部分との温度差により発生する、熱が移動しようとするエネルギーを電気エネルギーに変換する、すなわち発電させるというものです。
地球上にはあらゆる場所に温度差が存在しているので、無限の利用用途があると言っても過言ではありません。その応用分野は家庭用から地球規模のものまであり、利用できる熱源温度も約-200℃~+2000℃(現在の技術レベル)の範囲があります。
ゼ-ベック効果(原理)
図の様にP型とN型の半導体を接合した単位素子を使用して発電致します。この素子の一方を低温に、一方を高温に維持すると素子を通して高温側から低温側に熱流が生じます。
即ち高温側から素子内に熱エネルギーが流入し、素子を通過して低温側から放出される時、素子に流入した熱エネルギーの一部が放熱されずに素子内部で電気エネルギーに変換され、左図に示した外部負荷から電力として取り出されます。この様な単位素子を複数接続することによって更に大きな電力を取り出すことが可能になります。
特長
熱電発電には、他の発電方式には無い次の様な特徴があります。
- 1.環境にやさしいクリーンなエネルギー源を利用。
→化石燃料や放射性同位元素に頼らず、温度差だけで発電する。
- 2.地球上にある全ての熱源からエネルギーを取り出す事が可能。
→ 自然界にある熱源(太陽熱・海洋熱・地熱・人体熱 等)
→ 人工的な熱源(工業廃熱、自動車廃熱、ごみ焼却炉廃熱 等)
- 3.比較的小さな温度差からエネルギーを取り出す事が可能。
→数十度の温度差さえあれば発電する。
- 4.長寿命である。
→機械的可動部分が無いため各部品の消耗や劣化がおこりにくい。
応用例
●自然界・・・太陽熱/海洋熱/地熱/人体熱
●廃熱・・・ゴミ焼却熱/自動車廃熱/工業廃熱/発電所廃熱/燃料電池廃熱
●燃料熱・・・化石燃料(液体・ガスetc.)
●原子力・・・放射性同位元素
●冷熱・・・液化ガス